真田、燃ゆ

 五十を数える程の齢の筈なのに、幸村の所作は激しかった。
 宙を舞い、地に押し付けられ、折れるほどに抱き締められる。
 冬の荒波のような大きなうねりの中で、不覚にも何度も声を上げ、気を喪った。

 幸村の行為が何時終わったのか、覚えていない。
 
 ただ、身体の奥底に刻まれた幸村の所作の痕が、何時までも甘く疼くように、遺っていた。
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