契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない
 この日は那覇の往復便。お昼過ぎに到着後、三時間の休憩を挟み羽田行きの便に乗務する。

 那覇に到着し、休憩時間に館野キャプテンを無理やり誘って空港近くのソーキそば店にやって来た。

「今日は俺の奢りです。大盛にしてもいいですよ?」

「大丈夫だ。うっかり奢ってもらったりしたらあとが怖い」

「どういうことですか」

「そのままの意味だ! ここは俺が出すから、好きなものを注文しろ」

 メニュー表を渡され、早く選べと促される。

「じゃあ素直に奢ってもらうので、凪咲となにがあったか教えてください」

「だからそれは俺の口からは言えないっていっただろ。気になるなら本人に聞け」

 それができたら、こうして館野キャプテンを頼ったりしない。しかしこの様子だとどんなにといただしても答えてくれなそうだ。

「わかりました。直接凪咲に館野キャプテンとなにがあったのか聞いてみます」

「そうしてくれ」
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