契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

　父の問題も無事に解決することができた。両親が離婚する際に、父は誓約書を交わした。多くの約束を破った父を罪にも問えると弁護士に言われたけれど、穏便に解決してもらえるように頼んだ。

　ただ、もう二度と私と母の前に現れないことと、どうか心を入れ替えて今度こそ新たな人生を歩むと約束してほしいとお願いをした。

　誠吾さんに聞いた話によると、弁護士から私の願いを聞いた父は泣き崩れたそう。そして約束は必ず守る、すまなかったと伝えてくれと言っていたそうだ。

　それと私が貸したお金は少しずつだけど、弁護士を通して返すとも約束してくれた。

　口だけで変わらないかもしれないし、約束を破るかもしれない。だけど今度こそ本当に大丈夫な気がする。

　父の問題が解決し、それから国際線乗務に向けての勉強が忙しくなった。実際に始まると国内線とは違う長時間フライトや、基本一泊～二泊滞在となり、その国の食べ物にもなかなか慣れなかった。