契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない
 そんなこんなで慌ただしい日々が過ぎていき、二ヶ月もの時間が過ぎてしまったのだ。

 だけどやっと国際便の乗務にも慣れてきた。日本に戻ったら誠吾さんと会う約束をしている。そこで自分の気持ちを伝えるつもりでいる。

 好きって言う瞬間を想像しただけで緊張でいっぱいになるのに、ちゃんと本人を前にして言えるか不安になってしまう。

 でもそれ以上に誠吾さんに好きだと伝えたい気持ちのほうが大きい。

「よし、観光でもして気分転換してこよう」

 真琴にもプーケットのビーチの写真とお土産を頼まれているし、早く行かないと時間がなくなってしまう。

 身支度を整えてホテルのモーニングを軽く食べ、さっそく観光に出かけた。

 まず先にやって来たのは、プーケットでターコイズブルーの海としてもっとも有名なパトンビーチ。長さ三キロにも渡る伸びるビーチで、いろいろなマリンアクティビティも楽しめるようだ。周辺にもレストランなどが出店されていて賑わっている。

 白い砂浜と綺麗な海、それと雲ひとつない青空を写真に収めていく。

「うん、綺麗に撮れた」

 写真の出来栄えに満足し、砂浜に腰を下ろして静かに寄せては返す波を見つめる。
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