契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない
 痛くてつらくて、背中に爪を立ててしまうと彼は顔を歪めた。

「いいよ、つらかったらもっと強く掴んでくれ」

「でも……」

「いいから」

 優しく言って誠吾さんは私の唇を塞いだ。

 誠吾さんを傷つけたくないけど、でも痛みに耐えられなくてさらに強い力で彼の背中を掴んでしまう。だけど痛みは少しずつ和らいでいき、彼の背中から手を離した。

「少しは痛み、引いたか?」

「は、い」

 この圧迫感にも慣れてきた。

「じゃあ少し動くぞ」

「動くって……あぁっ」

 ゆっくりと腰を揺すり、出入りを繰り返す。再び痛みに襲われるも最初だけで、少しずつ快楽の波に呑まれていく。

「誠吾さん、なんか変です」

「変になっていいよ。乱れる凪咲をもっと見たい」

 甘い言葉を囁きながら身体中にキスを落とし、誠吾さんは腰の動きを速める。彼の呼吸も乱れていて、感じている彼の表情に胸が苦しくなる。

「凪咲っ……」

 何度も私の名前を呼び、食べられちゃいそうなキスをしながら誠吾さんは私の中で果てた。

その後もキスが落とされ続け、乱れた呼吸も整ってきた頃、私は意識を手放した。
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