君との恋の物語-mutual dependence-
自立
大学2年生になってすぐ、私は壁にぶつかった。
んん、壁は、そこにずっとあったんだ。
でも、私がずっと見ないふりをしてた。
だから、【ぶつかった】っていうより、やっと【ぶつかることができた】
って感じ。変な言い方だけど。
詩乃と距離を置いて、今やるべきことにしっかり向き合ってみることにした。
怖かったけど、私には、友達も沢山いたから、最初は少しずつだったけど、ちゃんと向き合えたと思う。
祥子と由美には特に、沢山迷惑かけちゃったけど、2人は優しく、時に厳しく接してくれた。
本当、感謝してる。ありがとう。
実を言うと、私が沢山頼ったのは、この2人だけじゃない。
夏織にも、随分助けてもらった。
いつか、祥子、由美、夏織と、私の4人で会ってみたいな。
きっと、気が合うと思う。
寂しさがなかったかと聞かれれば、もちろんあった。
やっぱり女の子同士じゃ埋められられないことって、あるから。
でも、詩乃のことは裏切れないって思ったから、頑張った。
うん。頑張った。
そもそも、私はそんなに目立つタイプでもないので、その辺はあんまり心配ないんだけど。
目立つのは、どちらかと言えば由美みたいなタイプだと思うんだけど、気が強いからかな?
あんまりそう言う話は聞かない。
祥子には、2年の夏休みに彼氏ができたんだけど、半年くらいで別れてしまったみたい。
(この話は、機会があったらまた)
そんなこんなで、一度は崩れ掛けたサークル活動もどうにか立て直し、2年生の終わり頃にはすっかり調子を取り戻していた。
そして、3年生に上がる頃、【子供向けの歴史書】は30ページと少し完成した。
後輩も数人だけど入ってくれて、サークルとしても無事存続できることが決まっている。
でも、このペースでは私達が卒業するまでには100ページ完成はできないかも…。
これからは、就活で皆少しずつ忙しくなってくるし。
私も、教職科目の授業が増えて、それだけでも忙しい。
だからと言って、そう先延ばしにもできないから、これについては、もう少し経ってからちゃんと時間を取って皆と話をしようと思っている。
次の台の部長も決めないといけないし。
そう考えると、実は私達の大学生活は、もうそんなに長くない。
2年って言えば長そうに思えるけど、きっとあっという間だ。
最近は、そんなことも考えるようになった。
精神科への通院は、続けているけど、頻度はかなり少なくなった。
最初の診察の時に言われた「うつ病予備軍」というのは、まさにその通りだったみたい。
半年も通わないうちに薬もほとんど必要なくなり、診察も2週間に1回、1ヶ月に1回と、順当に回復してきている。
今では両親と由美、祥子、夏織には打ち明けていて、皆そんな私を受け入れてくれている。
というか、由美と祥子は私の様子から察していたようで、『やっぱりね』なんて言われてあっさりと受け入れてくれた。
サークル活動も、うつ病予備軍の治療も、学校生活も順調。
そして、もうすぐ詩乃との約束の日。
詩乃…私、ちゃんとやれてるよね?
そろそろ会いに行ってもいいよね?
3年生になったら、就職活動をしようと決めていた私は、新学期早々に就職課を訪ねた。
大学の敷地内でも、ここはかなり未知の領域で、大学の施設なのに何故かすっごく緊張した。
でもこの緊張は、意外な形でちょっと和らぐことになる。
『あ、さぎり!』
祥子だった。
私が入り口から入ろうとすると、ちょうど出てくるところだった。
「祥子!祥子も、就活?」
『うん。私、どんな仕事に就こうかちゃんと考えたことなかったから、就活だけは早めに始めて、どんな仕事があるのか調べてみようと思ったの。』
偉い!皆、やらなきゃやらなきゃで中々始められないのに。
やっぱり祥子って真面目なんだなぁ。
「そっか。私も、やりたいことはあるにはあるんだけど、それを仕事にするってちょっと難しそうでさ。だから、私も同じ!どんな仕事があるのか、まずは調べてみようと思ったんだ!」
祥子はちょっと急いでそうだったので、話もそこそこにもう行こうかって時に
『あ、そうだ、さぎり…。』
呼び止められた。
「ん?なに?」
『…。んん、なんでもない。また後で話すね!』
祥子はまだなにか言いたそうだったけど、振り払うようにして歩いて行ってしまった。
…
気になるけど、今は、集中しなきゃ。
エントリーシートに記入して、窓口に提出したら、今日はそれで終わりだった。
窓口の女性は、ぱっと見は気難しそうな感じだったけど、すごく親身になってくれそうだった。
私は、丁寧にお礼を言った。
やりたいこと。これはやっぱり、子供に関わることだった。
子供と一緒に勉強するっていうか、なんていうんだろ、なるべく子供と同じ目線に立っていたいっていうか。
だから、教師ではないかなって思ってた。どちらかというと、塾の先生かな?
それも、進学だけを目的としないっていうか…。いや、これだと勉強教える意味がなくなっちゃうか…。
でも保育だと、ちょっと子供すぎるっていうか…。
あ!学童!そう!学童の先生みたいな感じ!
そういうのがやってみたいと私は思っている。
運良く募集があるかはわからないけど、就職課には伝えてあるし、自分でもなるべく求人を見てみるようにしよ!
さて、この後1コマ分授業がないから、図書館でも行こうかな。
んん、壁は、そこにずっとあったんだ。
でも、私がずっと見ないふりをしてた。
だから、【ぶつかった】っていうより、やっと【ぶつかることができた】
って感じ。変な言い方だけど。
詩乃と距離を置いて、今やるべきことにしっかり向き合ってみることにした。
怖かったけど、私には、友達も沢山いたから、最初は少しずつだったけど、ちゃんと向き合えたと思う。
祥子と由美には特に、沢山迷惑かけちゃったけど、2人は優しく、時に厳しく接してくれた。
本当、感謝してる。ありがとう。
実を言うと、私が沢山頼ったのは、この2人だけじゃない。
夏織にも、随分助けてもらった。
いつか、祥子、由美、夏織と、私の4人で会ってみたいな。
きっと、気が合うと思う。
寂しさがなかったかと聞かれれば、もちろんあった。
やっぱり女の子同士じゃ埋められられないことって、あるから。
でも、詩乃のことは裏切れないって思ったから、頑張った。
うん。頑張った。
そもそも、私はそんなに目立つタイプでもないので、その辺はあんまり心配ないんだけど。
目立つのは、どちらかと言えば由美みたいなタイプだと思うんだけど、気が強いからかな?
あんまりそう言う話は聞かない。
祥子には、2年の夏休みに彼氏ができたんだけど、半年くらいで別れてしまったみたい。
(この話は、機会があったらまた)
そんなこんなで、一度は崩れ掛けたサークル活動もどうにか立て直し、2年生の終わり頃にはすっかり調子を取り戻していた。
そして、3年生に上がる頃、【子供向けの歴史書】は30ページと少し完成した。
後輩も数人だけど入ってくれて、サークルとしても無事存続できることが決まっている。
でも、このペースでは私達が卒業するまでには100ページ完成はできないかも…。
これからは、就活で皆少しずつ忙しくなってくるし。
私も、教職科目の授業が増えて、それだけでも忙しい。
だからと言って、そう先延ばしにもできないから、これについては、もう少し経ってからちゃんと時間を取って皆と話をしようと思っている。
次の台の部長も決めないといけないし。
そう考えると、実は私達の大学生活は、もうそんなに長くない。
2年って言えば長そうに思えるけど、きっとあっという間だ。
最近は、そんなことも考えるようになった。
精神科への通院は、続けているけど、頻度はかなり少なくなった。
最初の診察の時に言われた「うつ病予備軍」というのは、まさにその通りだったみたい。
半年も通わないうちに薬もほとんど必要なくなり、診察も2週間に1回、1ヶ月に1回と、順当に回復してきている。
今では両親と由美、祥子、夏織には打ち明けていて、皆そんな私を受け入れてくれている。
というか、由美と祥子は私の様子から察していたようで、『やっぱりね』なんて言われてあっさりと受け入れてくれた。
サークル活動も、うつ病予備軍の治療も、学校生活も順調。
そして、もうすぐ詩乃との約束の日。
詩乃…私、ちゃんとやれてるよね?
そろそろ会いに行ってもいいよね?
3年生になったら、就職活動をしようと決めていた私は、新学期早々に就職課を訪ねた。
大学の敷地内でも、ここはかなり未知の領域で、大学の施設なのに何故かすっごく緊張した。
でもこの緊張は、意外な形でちょっと和らぐことになる。
『あ、さぎり!』
祥子だった。
私が入り口から入ろうとすると、ちょうど出てくるところだった。
「祥子!祥子も、就活?」
『うん。私、どんな仕事に就こうかちゃんと考えたことなかったから、就活だけは早めに始めて、どんな仕事があるのか調べてみようと思ったの。』
偉い!皆、やらなきゃやらなきゃで中々始められないのに。
やっぱり祥子って真面目なんだなぁ。
「そっか。私も、やりたいことはあるにはあるんだけど、それを仕事にするってちょっと難しそうでさ。だから、私も同じ!どんな仕事があるのか、まずは調べてみようと思ったんだ!」
祥子はちょっと急いでそうだったので、話もそこそこにもう行こうかって時に
『あ、そうだ、さぎり…。』
呼び止められた。
「ん?なに?」
『…。んん、なんでもない。また後で話すね!』
祥子はまだなにか言いたそうだったけど、振り払うようにして歩いて行ってしまった。
…
気になるけど、今は、集中しなきゃ。
エントリーシートに記入して、窓口に提出したら、今日はそれで終わりだった。
窓口の女性は、ぱっと見は気難しそうな感じだったけど、すごく親身になってくれそうだった。
私は、丁寧にお礼を言った。
やりたいこと。これはやっぱり、子供に関わることだった。
子供と一緒に勉強するっていうか、なんていうんだろ、なるべく子供と同じ目線に立っていたいっていうか。
だから、教師ではないかなって思ってた。どちらかというと、塾の先生かな?
それも、進学だけを目的としないっていうか…。いや、これだと勉強教える意味がなくなっちゃうか…。
でも保育だと、ちょっと子供すぎるっていうか…。
あ!学童!そう!学童の先生みたいな感じ!
そういうのがやってみたいと私は思っている。
運良く募集があるかはわからないけど、就職課には伝えてあるし、自分でもなるべく求人を見てみるようにしよ!
さて、この後1コマ分授業がないから、図書館でも行こうかな。