君との恋の物語-mutual dependence-
活動開始
サークルを作ると決まってから、私の生活は一変。すっごく忙しくなった。
授業をきっかけに集まってくれたのは由美と祥子を含めて5人。
それから口コミで広がって、あっという間に15人くらいが集まり、いよいよ管理しきれなくなったので、説明会を開き、私達の活動目標を伝えた。
正直、その場のノリだけで参加表明した人も半分くらいはいたみたい。
名簿を作成してサークル活動の申請をする頃には7人になっていた。
でも、まだ具体的に活動を始めたわけでもないのに7人集まるって、結構すごいことだと思う。私的には満足。
結果、部長は私、副部長は祥子、会計は由美。と、部員4名の計7名で活動を開始した。
私達がまず取り掛かったのは、目標を決めること。
つまり、【子供向けのわかりやすい歴史の資料】を使って何をするかと言うこと。
展示、インターネットでの公開、ワークショップ、書籍etc。1回目の会議で結構な数のアイディアが出てきた。
その中からある程度現実味があるものに絞ったところで会議は終わり。次の会議までに、それぞれがいいと思うアイディアに具体的なやりかたを考えてくることになった。
私的に一番やりたいのは書籍化。もっと言えば、教科書を作ることだった。
もちろん、子供は皆学校の教科書で対面の授業を受けてるんだし、あえて教科書じゃなくてもいいような気はするけど、私が目指しているのは、学校の教科書とはちょっと違うものだった。
それは、それ1冊で子供が1人でもどんどん勉強を進められるような教科書のこと。
なんて言ったらいいんだろ?イメージで言うと、学校の教科書よりは、赤ペン先生みたいな、通信教育に使われるような教材って言ったらいいのかな?歴史的な事実をただ書き綴るんじゃなくて、キャラクターの会話だったり、よりストーリー的に書いて理解を深めるみたいな!
出来上がった本を手に取った子供達が、【この話、この後どうなるんだろう?】ってどんどん先を読みたくなるような本が作れたら、一番いいと思う!
すっごく大変だろうけど…。でも、皆想いは一緒だし、きっとお願いすれば高畑先生だって協力してくれるはず。忙しくなっても大変でも、それ以上に楽しくやれると思う。
だって、一つのことに全力を注げるのなんて、学生のうちだけだと思うから。
と言うことで、私はこれを次回の会議で皆ににわかりやすく説明できるように準備を進めて行った。
会議の数日前にはほぼ出来上がって、余裕を持ってその日を迎えられた。
議長は祥子、書記は由美。
祥子のおかげで会議は終始穏やかに進められた。
結果、私達の活動目標は【小学校低学年向けの歴史書を100ページで作ること】
少なくとも、来年度はこれ一つに絞っていくことになった。
100ページ。本にしては少ないけど、これを作るとなるとものっすごく大変だと思う。
そう、大変なのはむしろここから。今までみたいに形に捉われずにアイディアを出せていた時とは違うし、かなり綿密に土台を作らないとどうにもならない。
うん、頃合いかな。私は、会議も終盤に差し掛かったところで、皆に声を掛けた。
「皆、今日も集まってくれてありがとう。ちょっとここで、提案があるんだけどいいかな?」
うん、皆穏やかな雰囲気。何も言わないけど、【聞くよ】っていう気持ちがちゃんと伝わってくる。
「皆のおかげで、私達の活動目標は子供向けの歴史書を100ページで作ることに決まったんだけど、これは、すごく大変な作業になると思います。そこで、今後、私たちは、活動が本格化する来年度に向けてしっかりとした土台づくりをしたいと思います。」
一旦区切って皆の顔を見渡す。うん、皆いい感じ。
「その第一歩として、役割分担をしましょう。具体的にはこんな感じです」
予め用意しておいた資料を元に、部室のホワイトボードに書き出す。
・キャラクターデザイン
・ページデザイン
・題材原案
「私達は、まだ7人なので、一旦このグループ分けがいいと思いました。各グループに2人ずつでやってもらって、私は全部のグループと連絡を取りながら、全体を見たいと思います。どうでしょう?」
よかった、皆頷いてくれてる。
『私達はそれで構わないけど、さぎりは大丈夫なの?負担が大きすぎる気がするけど』
こう言ったのは由美。ありがとう。でも
「うん、それは私もちょっと考えたんだけど、だからこそ全てのグループに入った方がいいかと思ったの。実際に動くのは皆に任せてしまうことになるから申し訳ないんだけど…その代わりに全体を見渡して、皆同じ方向を向けるように調整する役に集中できるかなって。」
『なるほど。それは、ありだと思います。山本さんと密に連絡取れていれば、皆自信を持って作業できるんじゃないですか?』
こう言ってくれたのは、同じ1年生の、高木亜美さん。
小柄で可愛らしい子。意見はしっかり言ってくれるし、頼れる子。
そして、絵が上手な子。
『高木さん、ありがとうございます。他にも意見があればどうぞ。』
と、祥子。しっかり議長をしてくれている。
皆から賛成の声が上がったので、そのままグループ分けに入った。
キャラクターデザイン
高木亜美
山内恭子
ページデザイン
鈴木祥子
松井清美
題材原案
寺内由美
林 亜矢子
そして全てのグループに私が入って計7名。
当面は、この7名で活動していくことになる。
私は、まずは題材原案のグループと話がしたかったので、今日はミーティングは解散にして、題材係の2人と部室に残った。
「2人とも大変な係を引き受けてくれてありがとう!由美も林さんも、とっても頼もしいです!まず、一緒に進めていきたいのは、100ページをどういう配分にして、どの時代や人物を扱うかって言うことだね。これが決まってくると、キャラクターもイメージしやすくなってくると思うんだよね。」
先に答えてくれたのは由美だった。
由美『うん、その通りだね。少なくとも、一番古い時代をどこに設定するかは早めに決めていきたいよね。』
私「そうだね、それが決まれば、全体像をイメージしやすいかも。」
林さんも、しっかり話し合いに参加してくれた。
林さん『そうですよね。どの時代から始めるかによって、大分変わってきますもんね。でも、入りやすいのはやっぱり縄文時代とかじゃないですか?』
私「うんうん、確かにそうかも。小学校の教科書も、縄文時代から始まってるもんね。」
由美『確かにそうだけど、でも、その時代をあんまりたくさんやってたら、他の教科書と変わらなくない?縄文から始めるのは賛成だけど、むしろページの配分が重要だと思う。』
うーん、って3人で頭を捻る。なんかいいな。こういうの。
すっごい楽しい!
結局、この日は夜の8時くらいまで残って話して、うっすらと全体像が見えてきたところで終わりにした。
このグループとはまた3日後に集まることになった。
明日はキャラクターグループとのミーティング。明後日はページグループとのミーティング!
忙しくなるけど、充実してきた!って感じがして嬉しかった。
今日は遅くなってしまったので、詩乃の部屋に泊めてもらうことにした。
皆とは反対方向の帰り道。
少し肌寒いけど、過ごしやすい秋の夜。
私は、これからどんどん本格化していくであろうサークル活動のことで頭がいっぱいだった。
7人で作り上げていく【歴史書】がどんなものになるのかとっても楽しみで、ワクワクしていた。
ここまで辿り着けたのも、夏織や由美、祥子、高畑先生、集まってくれた皆。
それにいつも一緒にいてくれた詩乃のおかげ。
本当、誰が欠けてもダメだったと思う。
皆の気持ちに応えるためにも、明日からまた頑張るぞ!
授業をきっかけに集まってくれたのは由美と祥子を含めて5人。
それから口コミで広がって、あっという間に15人くらいが集まり、いよいよ管理しきれなくなったので、説明会を開き、私達の活動目標を伝えた。
正直、その場のノリだけで参加表明した人も半分くらいはいたみたい。
名簿を作成してサークル活動の申請をする頃には7人になっていた。
でも、まだ具体的に活動を始めたわけでもないのに7人集まるって、結構すごいことだと思う。私的には満足。
結果、部長は私、副部長は祥子、会計は由美。と、部員4名の計7名で活動を開始した。
私達がまず取り掛かったのは、目標を決めること。
つまり、【子供向けのわかりやすい歴史の資料】を使って何をするかと言うこと。
展示、インターネットでの公開、ワークショップ、書籍etc。1回目の会議で結構な数のアイディアが出てきた。
その中からある程度現実味があるものに絞ったところで会議は終わり。次の会議までに、それぞれがいいと思うアイディアに具体的なやりかたを考えてくることになった。
私的に一番やりたいのは書籍化。もっと言えば、教科書を作ることだった。
もちろん、子供は皆学校の教科書で対面の授業を受けてるんだし、あえて教科書じゃなくてもいいような気はするけど、私が目指しているのは、学校の教科書とはちょっと違うものだった。
それは、それ1冊で子供が1人でもどんどん勉強を進められるような教科書のこと。
なんて言ったらいいんだろ?イメージで言うと、学校の教科書よりは、赤ペン先生みたいな、通信教育に使われるような教材って言ったらいいのかな?歴史的な事実をただ書き綴るんじゃなくて、キャラクターの会話だったり、よりストーリー的に書いて理解を深めるみたいな!
出来上がった本を手に取った子供達が、【この話、この後どうなるんだろう?】ってどんどん先を読みたくなるような本が作れたら、一番いいと思う!
すっごく大変だろうけど…。でも、皆想いは一緒だし、きっとお願いすれば高畑先生だって協力してくれるはず。忙しくなっても大変でも、それ以上に楽しくやれると思う。
だって、一つのことに全力を注げるのなんて、学生のうちだけだと思うから。
と言うことで、私はこれを次回の会議で皆ににわかりやすく説明できるように準備を進めて行った。
会議の数日前にはほぼ出来上がって、余裕を持ってその日を迎えられた。
議長は祥子、書記は由美。
祥子のおかげで会議は終始穏やかに進められた。
結果、私達の活動目標は【小学校低学年向けの歴史書を100ページで作ること】
少なくとも、来年度はこれ一つに絞っていくことになった。
100ページ。本にしては少ないけど、これを作るとなるとものっすごく大変だと思う。
そう、大変なのはむしろここから。今までみたいに形に捉われずにアイディアを出せていた時とは違うし、かなり綿密に土台を作らないとどうにもならない。
うん、頃合いかな。私は、会議も終盤に差し掛かったところで、皆に声を掛けた。
「皆、今日も集まってくれてありがとう。ちょっとここで、提案があるんだけどいいかな?」
うん、皆穏やかな雰囲気。何も言わないけど、【聞くよ】っていう気持ちがちゃんと伝わってくる。
「皆のおかげで、私達の活動目標は子供向けの歴史書を100ページで作ることに決まったんだけど、これは、すごく大変な作業になると思います。そこで、今後、私たちは、活動が本格化する来年度に向けてしっかりとした土台づくりをしたいと思います。」
一旦区切って皆の顔を見渡す。うん、皆いい感じ。
「その第一歩として、役割分担をしましょう。具体的にはこんな感じです」
予め用意しておいた資料を元に、部室のホワイトボードに書き出す。
・キャラクターデザイン
・ページデザイン
・題材原案
「私達は、まだ7人なので、一旦このグループ分けがいいと思いました。各グループに2人ずつでやってもらって、私は全部のグループと連絡を取りながら、全体を見たいと思います。どうでしょう?」
よかった、皆頷いてくれてる。
『私達はそれで構わないけど、さぎりは大丈夫なの?負担が大きすぎる気がするけど』
こう言ったのは由美。ありがとう。でも
「うん、それは私もちょっと考えたんだけど、だからこそ全てのグループに入った方がいいかと思ったの。実際に動くのは皆に任せてしまうことになるから申し訳ないんだけど…その代わりに全体を見渡して、皆同じ方向を向けるように調整する役に集中できるかなって。」
『なるほど。それは、ありだと思います。山本さんと密に連絡取れていれば、皆自信を持って作業できるんじゃないですか?』
こう言ってくれたのは、同じ1年生の、高木亜美さん。
小柄で可愛らしい子。意見はしっかり言ってくれるし、頼れる子。
そして、絵が上手な子。
『高木さん、ありがとうございます。他にも意見があればどうぞ。』
と、祥子。しっかり議長をしてくれている。
皆から賛成の声が上がったので、そのままグループ分けに入った。
キャラクターデザイン
高木亜美
山内恭子
ページデザイン
鈴木祥子
松井清美
題材原案
寺内由美
林 亜矢子
そして全てのグループに私が入って計7名。
当面は、この7名で活動していくことになる。
私は、まずは題材原案のグループと話がしたかったので、今日はミーティングは解散にして、題材係の2人と部室に残った。
「2人とも大変な係を引き受けてくれてありがとう!由美も林さんも、とっても頼もしいです!まず、一緒に進めていきたいのは、100ページをどういう配分にして、どの時代や人物を扱うかって言うことだね。これが決まってくると、キャラクターもイメージしやすくなってくると思うんだよね。」
先に答えてくれたのは由美だった。
由美『うん、その通りだね。少なくとも、一番古い時代をどこに設定するかは早めに決めていきたいよね。』
私「そうだね、それが決まれば、全体像をイメージしやすいかも。」
林さんも、しっかり話し合いに参加してくれた。
林さん『そうですよね。どの時代から始めるかによって、大分変わってきますもんね。でも、入りやすいのはやっぱり縄文時代とかじゃないですか?』
私「うんうん、確かにそうかも。小学校の教科書も、縄文時代から始まってるもんね。」
由美『確かにそうだけど、でも、その時代をあんまりたくさんやってたら、他の教科書と変わらなくない?縄文から始めるのは賛成だけど、むしろページの配分が重要だと思う。』
うーん、って3人で頭を捻る。なんかいいな。こういうの。
すっごい楽しい!
結局、この日は夜の8時くらいまで残って話して、うっすらと全体像が見えてきたところで終わりにした。
このグループとはまた3日後に集まることになった。
明日はキャラクターグループとのミーティング。明後日はページグループとのミーティング!
忙しくなるけど、充実してきた!って感じがして嬉しかった。
今日は遅くなってしまったので、詩乃の部屋に泊めてもらうことにした。
皆とは反対方向の帰り道。
少し肌寒いけど、過ごしやすい秋の夜。
私は、これからどんどん本格化していくであろうサークル活動のことで頭がいっぱいだった。
7人で作り上げていく【歴史書】がどんなものになるのかとっても楽しみで、ワクワクしていた。
ここまで辿り着けたのも、夏織や由美、祥子、高畑先生、集まってくれた皆。
それにいつも一緒にいてくれた詩乃のおかげ。
本当、誰が欠けてもダメだったと思う。
皆の気持ちに応えるためにも、明日からまた頑張るぞ!