ゆっくり、話そうか。
カーデ着ててもちょっと寒いかな。
そよそよ吹いている風は穏やか。
が、寒さを感じるには充分だった。
ひんやりとまではいか無くても、山の空気はしっかり冷えていて、初夏としては寒さが強い。
カーデガンの下はタンクトップで、下は体操服の短パンという薄着を後悔したが、今さら着替えに戻るのも面倒。
体もすぐに慣れるだろうと、散歩を始めた。
夜中の林、とはいっても何かあればすぐに助けも呼べて逃げられる建物もあることが気持ちを大きくさせるのか、周りが月の光と遠くにある街灯だけという状況でもちっとも怖くない。
むしろ、薄い雲の割れ目から入ってくる月の光が心地よいとさえ思えた。
もしかしたら獣が飛びかかってくるかも…
という不安も、敷地内の高いフェンスと教師のバカ笑いで吹き飛んだ。
遠くの方で何かの動物が声を上げ、林のなかでなにかが動いている気配はあっても、動物園のサファリパークといった印象。
「あ、タンポポや」
草むらの中、黄色い小さな花が生えているのを見つけて近付いてみる。
白い綿毛を被ったタンポポと、黄色い花をイキイキ咲かせるタンポポが二つ並んで咲いていた。
よく見ると周りは同じようなタンポポがたくさん咲いている。
その場にしゃがんで綿毛をつつき、種を周りに飛ばせてみる。
雨粒が乾いていたのだろう、重さの感じさせない素直さで巣から離れた。
そよそよ吹いている風は穏やか。
が、寒さを感じるには充分だった。
ひんやりとまではいか無くても、山の空気はしっかり冷えていて、初夏としては寒さが強い。
カーデガンの下はタンクトップで、下は体操服の短パンという薄着を後悔したが、今さら着替えに戻るのも面倒。
体もすぐに慣れるだろうと、散歩を始めた。
夜中の林、とはいっても何かあればすぐに助けも呼べて逃げられる建物もあることが気持ちを大きくさせるのか、周りが月の光と遠くにある街灯だけという状況でもちっとも怖くない。
むしろ、薄い雲の割れ目から入ってくる月の光が心地よいとさえ思えた。
もしかしたら獣が飛びかかってくるかも…
という不安も、敷地内の高いフェンスと教師のバカ笑いで吹き飛んだ。
遠くの方で何かの動物が声を上げ、林のなかでなにかが動いている気配はあっても、動物園のサファリパークといった印象。
「あ、タンポポや」
草むらの中、黄色い小さな花が生えているのを見つけて近付いてみる。
白い綿毛を被ったタンポポと、黄色い花をイキイキ咲かせるタンポポが二つ並んで咲いていた。
よく見ると周りは同じようなタンポポがたくさん咲いている。
その場にしゃがんで綿毛をつつき、種を周りに飛ばせてみる。
雨粒が乾いていたのだろう、重さの感じさせない素直さで巣から離れた。