魔女は天使の声色で囁く
「とにかくあなたは話しているとイラつくわ。じゃあね。」
　五月はそう言うと謎めいた微笑みを浮かべ、スーパー沿いの細い路地を曲がった。

「先生、今何を考えています。」
「多分由利ちゃんと同じことだな。」
　由利の問いに修一郎は答えた。
「弥生さんの生まれ変わりですか。」
「そう言うことにしておこう。 これから追いかけても姿は見えないだろうし。」
「五月さんは幽霊ですか。」
「いや魔女だろ。」
「弥生さんが聞いたら怒りますよ。」
「また五月さんと会う機会があれば魔女だって言ってみるよ。」
「先生、可笑しい。弥生さんと会って話をしたみたい。」
　由利は弥生の事を思い出して涙目になった。
　修一郎は車に戻り、由利はお昼ご飯を買いに店に入った。
　由利は野菜ジュースとミックスサンドを手に取りレジへと向かった。内広舞のレジには人がいたので反対側の空いているレジで精算を済ませた。
　由利は舞をちらりと見た。舞はとても悲しそうな 顔をしていた。


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