もしかしたら,あれは。
どこにでもいる女の子。
どこにでもいる女の子???ちゃんの独白。
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画面の奥。ただただグループで繋がっているだけのあの人。

私の男子との繋がりの中で1番仲の良かった男子。

それが彼。

よく話をしたし,楽しかった。

彼にとっても私は,きっと気安くていい関係を築けていたと思う。

そんな彼からのLINEを,1度も来たことがないのに,私はいつも気にしていた。

機会さえあれば,話すことは山のようにあって,だけど直ぐに話したいことというのは特段無かったと言うのに。

それでも気にしていたのは,理由がそんなところに無かったから。

あのときの私は,確かに“待ってた”のだと今になって思う。

明日会える,2日後会える。

分かってるけど,どこかでそういう事ではないのだと思っていた。

他にも,私が彼と話しているとき,他の人に彼が呼ばれていくと,私は寂しくなった。

もっと話したかったといじけた気持ちになった。

思い出せるあの頃は,休日ですら,彼の事を考えている。

『あれが好きなんだっけ? そういえば……』

なんでも直ぐにその方向へ進んだ。

たまに,わけも分からず声をかけることに躊躇したし,女の子に叩かれるなど仲のよい光景を見ると,妙に焦った気持ちになった。

さて,ここで何故私がこんなことを思い出していたのか説明しておこう。

それは,ここ何年も止まっていたグループが,もう向こう何年かは動かないとすら思われたグループが。

昨日の夜突然,何の前触れもなく動き出したから。

彼と私をか細い糸で繋ぐ,あのグループが,動いたから。



『やべぇ! 俺今駅前歩いてたんやけど,???が女と手ぇ繋いで歩いてる! 見間違いか?! だってあいつだぞ!』

『まじ?』

『あ,久しぶり』

『彼女だよバカ。俺だって普通に恋愛するわ』



“彼女”

もちろんそのあとも多いに盛り上がっていたけれど,私だけはそこで取り残されていた。

彼女ってなんだっけ。なにするんだっけ。彼氏にとっての,どうゆう存在だったっけ。

音にはせず,かのじょと唇を動かしてみる。

なんだろう,この喪失感。
何なら埋められるだろう,満たせるだろう。

この後悔は,どこから生まれたんだろう。

どこで,リセットできる?

もしかしたら,もしかしたら。

わた,し…は



「すき,だったの……?」



今ですら,もしかしたら。

今の今まで,ずっと胸のうちにくすぶっていたんじゃないの?

この心臓を内側からかき混ぜるような痛みは,後悔は,一体どこに向ければいい?

笑顔も,仕草も,交わした言葉さえも。

会わなくなってから,話さなくなってから,それでも2月に1度くらい思い出した。

ただ,大事なのだと。

楽しかっただけなのだと,そう思っていた。

初恋なんて,恋なんて。

そんな名前の大きなものだなんて,思わなかった。

知りたく,なかった。

あのままで居たかったから。

あれ以上なんて,絶対無い。

あの日々は,間違いなく私にとって最高だった。

他の要素を1つでも含めば,得られなかったもの。

じゃあ,今いる矛盾した私はどうしたらいい?

死んでも変えたくない過去。

それでもなお未練の残った過去。

もう戻れない過去に,私は何を思えばいいんだろう。



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