夕立とアイスとこーちゃんと♡
そして、怖いもの知らずの吉田はいつの間にか、こーちゃんの肩を組んでいて…、
『ここで、クイズです!第1問…ジャジャン!!「1人の男+1人の女+1本の傘…」は、なーんだ?……ほらー!考えてみろって!!』
『………は?』
『答えはー…、「相合傘♡」でしたー♡』
『うっぜ……なんでもいいから、もう一本傘ないか探して?』
塩対応すぎる…。でも、吉田はめげない、挫けない。
『だから、ないってー。俺は最愛のカノジョ、成瀬(亜美)に入れてもらうために、邪魔な自分の傘をお前らに貸すんだから……あ、ついうっかりバラシちゃったよー♡……よーし!特別にここで、ボーナスクイーズ!!』
まだやるんだ…。
何が特別?こーちゃん、そろそろ本気でキレそうだけどね…。
『ではではー…「俺+成瀬+1本の傘…」は、なーんだ?』
『………』
『え、しずも分かんない?マジで?しょ・う・が・ないなー…、答えはー、「俺と成瀬がラブラブしながら相合傘で帰る♡」…でしたー♡』
こーちゃんの無視にも気付かず、顔の前で手を組んでクネクネしている吉田…。
遠目で見るだけでも気持ち悪いから、視界から敢えて外すしかない、と、廊下に目線を向ければ、『あ、吉田先輩だ…、今日も明るくてカッコイイねー♡』なんて言ってる一年生らしい女の子三人組が歩いていた。
え、嘘だろ?正気?…その周りにはこーちゃんを見て、キャアキャア言ってる女子生徒、多数だけれども。
なんかいろんな感じでムカッとしたから、
「亜美に置いていかれて、ずぶ濡れになる、が正しいんじゃない?」
と言えば、
『何それ!?酷い!!大音!!』
吉田が叫びはじめて、とにかくうるさくなった。
頭ガンガンしてきた。これ本気でどうにかしてよ……と、こーちゃんを見れば……、おいおい、めっちゃ笑ってるな…。