夕立とアイスとこーちゃんと♡
適当な返しに、そんなわけあるか!…と思いながらも、閑宮を見ると、やっぱりそっちの方が濡れていて。
「でも、こーちゃんこそ着替えたら?私より濡れてるし」
『んー、いらない』
「私、そんなに濡れてないよ」
おかげさまで、私の被害はとても少ない。
左側が局所的に濡れてるってくらいで、着替えるほどじゃ…。
『いいから。てか、透けてるから、早く着とけって』
「えぇぇ!?」
驚いて、自分の上半身を確認すれば…、なんだ。大丈夫だよ…。ごくごく僅かな範囲で肩紐が薄っすら見えるか見えないか…な程度。
「驚かさないでよ!!」
『してねーよ。十分、そそられる…』
「……は?」
無言で立ち上がって、私からシャツを奪うと、強引に羽織らせるから――――…。
…………なに!?
一瞬、時が止まったのかと思った。
この男がこんなことをするなんて…。
というか、さっきなんて言った?
パニックのまま正面から見れば、目が合った。
濡れた髪のせいで、色っぽさを増していて、透き通るような瞳に吸い込まれるような心地がする……。