一夜限りと思ったワンコ系男子との正しい恋愛の始め方
 一旦美晴から体を離すと、健斗はサイドボードに置いていた避妊具を手早くつけて、また彼女を抱きしめ直した。

「美晴さん、入るよ」
「……ん」

 宣言をすると、甘えるように美晴の腕が健斗の首に巻き付く。そんな彼女を撫でながら、健斗が美晴の中に入っていった。柔らかく、包み込まれる感触。気持ちのよさに、つい一気に突き動かしたくなってしまう。その衝動を健斗は息を吐きだしてやり過ごすと、わざと焦らすように押し進めていった。

「ふ、あ……、んん、ああっ」
「全部、入った」

 耳元で囁くと、美晴の中がまたきゅんと動く。まるで健斗の形を覚えようとしているようだ。そう思うとたまらなくなって、健斗は美晴に口付けた。性急に舌を差し入れ、美晴の口内を蹂躙する。ひと通り堪能すると、頬を擦り合わせて囁いた。

「動いていい、美晴さん?」
「うん。……お願い」

 美晴が自分の足を健斗の腰に絡めて引き寄せる。さらに深く入る形となり、健斗はそこから腰を引くとまた突き入れた。美晴の中で健斗は絡みつかれ扱かれて、快楽を追い求めて腰を振る。

「ああっ、はぁ、はぁっ」

 結合部から聞こえる、湿った音。肉と肉がぶつかる、乾いた音。互いの荒い息遣い。喘ぎ声。どんどんと集中していって、欲望は膨れ上がり出口に向かって進んでいく。

「あっ、や、もう!」

 美晴の体がビクビクと痙攣し、先にイッた。健斗が追い上げをするように腰を動かしその後に続く。

「美晴さん……!」

 最後に彼女の名前を呼んで、深く突き入れ欲望を吐き出す。しばらく二人無言のまま、ぎゅっと抱き合って息を整えた。それからゆっくりと、健斗が美晴の中から己を抜き出す。まだ快楽の余韻は続いていて、精を吐き出したというのに勃ち上がったままだった。

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