一夜限りと思ったワンコ系男子との正しい恋愛の始め方
その15. 計画と決意
自分に好意を持ってくれる相手のことを、自分も好きになった。そこでハッピー・エンドで終わればいいけれど――。
「このあと、どうします? カフェ行きますか?」
自分の気持ちを自覚するということは、隣にいる相手を意識するということだ。いつものように話しかけられただけなのに、健斗の声に美晴の鼓動は高鳴り、ふわふわと幸せな気持ちに包まれる。
「ありがとう。でもせっかくなら」
夕飯でも、と言いかけたところで美晴のスマホが震え、メッセージが入ったことに気が付いた。なんとはなしに目で追うと、宅配便からの不在届となっている。もしやと思い他のメッセージも確認する。母親から、惣菜を作ったので送ったという連絡が入っていた。
「……まずい」
一気に現実に引き戻される。実家からの仕送りは年に数回あるが、まさかこのタイミングで来るとは思わなかった。再配達を明日に指定したところで、月曜日の最終指定時間に家に戻ってこれる自信は無い。不在通知が入った直後、今のこの時間なら、本日中の再配達はまだ可能だろう。
「ごめんなさい。家に帰らなきゃ」
シンデレラにでもなった気分で健斗にそう告げると、さらに事情を話して解散にする。
こうして、美晴の中で転機をむかえた一日は終了した。
そして火曜日、今度は健斗からのメッセージを読んで、美晴はため息をついた。
『今週末に会うことが出来なくなりました。スミマセン!』
なんでも、学生時代の友人が急遽泊まりに来るのだという。それを止める理由もない。来週末は会おうと約束して、美晴は自分の心を慰めた。ここ一月、毎週末にあっていた建斗に会えないというのは、思ったよりも精神的ダメージが大きい。心にポッカリと穴が空いたようになり、寂しくなる。
「このあと、どうします? カフェ行きますか?」
自分の気持ちを自覚するということは、隣にいる相手を意識するということだ。いつものように話しかけられただけなのに、健斗の声に美晴の鼓動は高鳴り、ふわふわと幸せな気持ちに包まれる。
「ありがとう。でもせっかくなら」
夕飯でも、と言いかけたところで美晴のスマホが震え、メッセージが入ったことに気が付いた。なんとはなしに目で追うと、宅配便からの不在届となっている。もしやと思い他のメッセージも確認する。母親から、惣菜を作ったので送ったという連絡が入っていた。
「……まずい」
一気に現実に引き戻される。実家からの仕送りは年に数回あるが、まさかこのタイミングで来るとは思わなかった。再配達を明日に指定したところで、月曜日の最終指定時間に家に戻ってこれる自信は無い。不在通知が入った直後、今のこの時間なら、本日中の再配達はまだ可能だろう。
「ごめんなさい。家に帰らなきゃ」
シンデレラにでもなった気分で健斗にそう告げると、さらに事情を話して解散にする。
こうして、美晴の中で転機をむかえた一日は終了した。
そして火曜日、今度は健斗からのメッセージを読んで、美晴はため息をついた。
『今週末に会うことが出来なくなりました。スミマセン!』
なんでも、学生時代の友人が急遽泊まりに来るのだという。それを止める理由もない。来週末は会おうと約束して、美晴は自分の心を慰めた。ここ一月、毎週末にあっていた建斗に会えないというのは、思ったよりも精神的ダメージが大きい。心にポッカリと穴が空いたようになり、寂しくなる。