一夜限りと思ったワンコ系男子との正しい恋愛の始め方
ほっとする健斗に、美晴は言葉を続けた。
「それでね、シャワー借りたいのと、その前に近所にコンビニとかあるかな」
「コンビニ」
「泊まるためのもの、なにも持ってきていないから」
日中は屋外で、汗と潮風と煙に燻されていた。泊まるのならせめてシャワーを浴びてさっぱりしたいし、着替えもしたい。それにはコンビニで買い物が必要だ。
「じゃあ今から風呂を準備するんで、お湯張っている間に一緒にコンビニ行きましょう」
「場所教えてくれたら、一人で行くよ?」
「夜中に一人でなんて、行かせられないです」
きつめの口調に驚いて、反射的にビクリとする。そんな美晴を見て、健斗が慌てて言葉を足した。
「女の人が一人で出歩いていい時間じゃないから」
「分かった」
体調管理が甘いのも、酒に酔ったのも、みっともない姿を晒したのも全部、自業自得。それなのに健斗は美晴をずっと労って、心配してくれている。その心が嬉しくて、縮こまった心が少しずつほぐれていく。
アパートを出てすぐ近くのコンビニに行くと、基礎化粧品のお泊りセットと下着を買った。流石にショーツ以外の衣類は置いていないので、飲料品コーナーにいる健斗に声をかける。
「健斗のパジャマとか、貸してもらえる?」
「パジャマ?」
「Tシャツとスウェットパンツとかでも構わないんだけど」
「え、あ、ああ」
うなずくと、健斗があらぬ方向を見てなぜかソワソワしだした。なんとなく想像していることが分かったので、先に釘を刺しておく。
「彼シャツとかしないよ? ちゃんと上下で貸してね」
「……分かってます」
そう返事しながらも、ガッカリ感を隠しきれない。健斗のそんな反応につい笑いが起こってしまう。そして酔ってそれどころではなくなった、自分の密かな計画を思い出した。
健斗に告白すること。
「それでね、シャワー借りたいのと、その前に近所にコンビニとかあるかな」
「コンビニ」
「泊まるためのもの、なにも持ってきていないから」
日中は屋外で、汗と潮風と煙に燻されていた。泊まるのならせめてシャワーを浴びてさっぱりしたいし、着替えもしたい。それにはコンビニで買い物が必要だ。
「じゃあ今から風呂を準備するんで、お湯張っている間に一緒にコンビニ行きましょう」
「場所教えてくれたら、一人で行くよ?」
「夜中に一人でなんて、行かせられないです」
きつめの口調に驚いて、反射的にビクリとする。そんな美晴を見て、健斗が慌てて言葉を足した。
「女の人が一人で出歩いていい時間じゃないから」
「分かった」
体調管理が甘いのも、酒に酔ったのも、みっともない姿を晒したのも全部、自業自得。それなのに健斗は美晴をずっと労って、心配してくれている。その心が嬉しくて、縮こまった心が少しずつほぐれていく。
アパートを出てすぐ近くのコンビニに行くと、基礎化粧品のお泊りセットと下着を買った。流石にショーツ以外の衣類は置いていないので、飲料品コーナーにいる健斗に声をかける。
「健斗のパジャマとか、貸してもらえる?」
「パジャマ?」
「Tシャツとスウェットパンツとかでも構わないんだけど」
「え、あ、ああ」
うなずくと、健斗があらぬ方向を見てなぜかソワソワしだした。なんとなく想像していることが分かったので、先に釘を刺しておく。
「彼シャツとかしないよ? ちゃんと上下で貸してね」
「……分かってます」
そう返事しながらも、ガッカリ感を隠しきれない。健斗のそんな反応につい笑いが起こってしまう。そして酔ってそれどころではなくなった、自分の密かな計画を思い出した。
健斗に告白すること。