恋のナンバー507〜一尉、私のハートを墜とさないで〜

 試合会場を後にして、チームの皆んなと別れてから、私はスマホを取り出して小桃さんの番号をタップした。

 繋がるとすぐ、私は一方的に話し始めた。

「小桃さん、さくらです。私、地区大会に優勝しました! 桧山さんに……!!」

 電話口の小桃さんは、ためらいがちに、こう応えた。

『ごめんね、さくらちゃん。落ち着いて聞いてね』

 そして静かな口調で、言った。

『桧山一尉は一週間前に転属になったの。もうここにはみえないのよ……』

 私は、桧山一尉との誓いを果たした。
 
 でも一尉は、私に一言も告げないまま、姿を消していた……。
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