あなたが社長だなんて気が付かなかった〜一夜で宿したこの子は私だけのものです〜
「雪は1人で産むのか?」
この部屋に来て私に男性の影がないことは一目瞭然だろう。
私は頷くしかなかった。
「いつ生まれるんだ?」
「1月の頭です」
「あと4カ月か」
「触ってもいいか?」
私が頷くと彼はさっと私のお腹に手を伸ばしてきた。8月で薄着なこともあり彼の手を直接のように感じる。
まさか赤ちゃんのお父さんにお腹を撫でてもらえるとは思ってもみなかった。
するとタイミングよく胎動があった。
まだ少ししかわからないが最近ようやく感じるようになった胎動。
「あ……今動いたか?」
私が頷くと彼はますますお腹を撫で、元気か?大丈夫だったか?と声をかける。
その声に反応しているとは思えないがまたポコッと動くのを感じた。
彼は私のお腹から手を離さずにじっとしていた。
どれだけこうしていたのだろうか。彼は急に声を出した。
「雪、この子のパパになりたい」
「え? 何を言ってるんですか?」
「君の子を俺にも育てさせてほしい」
どうしちゃったの?
社長の子供ではないとさっき話したはず。
「私の子供です。私が1人で産み育てる覚悟です。社長のお世話にはなりません」
「だから、君の子を俺も育てたいと言ったんだ。俺の子ではないんだろう? でも俺は君が産む子を育てたい」
何が何だかよくわからない。
社長の子供ではないのに育てたいの?
「俺はあの日から君のことが忘れられなかった。どうしているんだろうと気になっていたんだ。それがどうしてなのか今日分かった気がする」
「そんなこと言われても」
「雪は今のままでいい。ひとまず俺のことを知ってくれればいい」
まさか彼がこんなことを言い出すなんて思いもしなかった。彼の子供ではないと伝えたのに他人の子供かもしれないのに育てたいと言うの?
「俺をみてもらいたいのもある、それに雪は足を捻挫して動けないだろう? 仕事は休むことにして、生活は俺が手伝ってやる」
「まさか。そんなことしなくていいです。1人でなんとかなります」
「三好にまた転んだら大変だと言われただろう?」
それはそうだけど社長にお世話してもらうなんておこがましい。
それだけはできない。
「友達に来てもらうので大丈夫ですから」
「俺は友達以上になりたい」
「本気ですか?」
「もちろんだ」
また私の手を握りしめてくる。
この温かい手を信じたくなるが私が彼を繋ぎ止めておくことなんて不可能な気がする。
国際部の彼だって4年付き合っていたのに繋ぎ止めることはできなかった。
そんな私に3時間だけ一緒に話し、一夜を共にしただけの私が彼と添い遂げられるとは考えにくい。
気の迷いとしか思えなかった。
彼になんて伝えようか悩んでいると私の方を向き直し試してみてほしいと伝えてきた。
私は彼に、また傷つきたくないので試したくないと伝えた。
このままいっては平行線だ。
彼は渋々友人になることを提案してきた。
私もそれをのむことにした。
私に飽きたら連絡も来なくなるだろうと、最初から期待しないことに決めた。
この部屋に来て私に男性の影がないことは一目瞭然だろう。
私は頷くしかなかった。
「いつ生まれるんだ?」
「1月の頭です」
「あと4カ月か」
「触ってもいいか?」
私が頷くと彼はさっと私のお腹に手を伸ばしてきた。8月で薄着なこともあり彼の手を直接のように感じる。
まさか赤ちゃんのお父さんにお腹を撫でてもらえるとは思ってもみなかった。
するとタイミングよく胎動があった。
まだ少ししかわからないが最近ようやく感じるようになった胎動。
「あ……今動いたか?」
私が頷くと彼はますますお腹を撫で、元気か?大丈夫だったか?と声をかける。
その声に反応しているとは思えないがまたポコッと動くのを感じた。
彼は私のお腹から手を離さずにじっとしていた。
どれだけこうしていたのだろうか。彼は急に声を出した。
「雪、この子のパパになりたい」
「え? 何を言ってるんですか?」
「君の子を俺にも育てさせてほしい」
どうしちゃったの?
社長の子供ではないとさっき話したはず。
「私の子供です。私が1人で産み育てる覚悟です。社長のお世話にはなりません」
「だから、君の子を俺も育てたいと言ったんだ。俺の子ではないんだろう? でも俺は君が産む子を育てたい」
何が何だかよくわからない。
社長の子供ではないのに育てたいの?
「俺はあの日から君のことが忘れられなかった。どうしているんだろうと気になっていたんだ。それがどうしてなのか今日分かった気がする」
「そんなこと言われても」
「雪は今のままでいい。ひとまず俺のことを知ってくれればいい」
まさか彼がこんなことを言い出すなんて思いもしなかった。彼の子供ではないと伝えたのに他人の子供かもしれないのに育てたいと言うの?
「俺をみてもらいたいのもある、それに雪は足を捻挫して動けないだろう? 仕事は休むことにして、生活は俺が手伝ってやる」
「まさか。そんなことしなくていいです。1人でなんとかなります」
「三好にまた転んだら大変だと言われただろう?」
それはそうだけど社長にお世話してもらうなんておこがましい。
それだけはできない。
「友達に来てもらうので大丈夫ですから」
「俺は友達以上になりたい」
「本気ですか?」
「もちろんだ」
また私の手を握りしめてくる。
この温かい手を信じたくなるが私が彼を繋ぎ止めておくことなんて不可能な気がする。
国際部の彼だって4年付き合っていたのに繋ぎ止めることはできなかった。
そんな私に3時間だけ一緒に話し、一夜を共にしただけの私が彼と添い遂げられるとは考えにくい。
気の迷いとしか思えなかった。
彼になんて伝えようか悩んでいると私の方を向き直し試してみてほしいと伝えてきた。
私は彼に、また傷つきたくないので試したくないと伝えた。
このままいっては平行線だ。
彼は渋々友人になることを提案してきた。
私もそれをのむことにした。
私に飽きたら連絡も来なくなるだろうと、最初から期待しないことに決めた。