あなたが社長だなんて気が付かなかった〜一夜で宿したこの子は私だけのものです〜
帰り道、駅へ向かう途中でスマホが鳴りメッセージを確認すると礼央さんからだった。
【車を止めて待っているから南口のロータリーに来て】
私はあと少しでロータリーなので返信することなくそのまま向かった。
ロータリーにはすでにこの前乗せてもらった車が停まっており、私がガラスを小さくノックすると窓が開き「早く乗って」と言われる。
私は慌てて乗り込むと車はすぐに発進した。
「ごめん、慌てさせて。車が思ったより多くて」
「いえ。でもどうしたんですか? つい乗ってしまったけど」
「いや、夕飯を一緒に食べたいと思って。昨日も一昨日も食べてたから今日も食べたくなって急いで仕事を終わらせてきたんだ」
彼はそう言うと耳が赤くなっていた。
「俺が作るからどうかな?」
「あ、うん」
彼の車は私のアパートの前に到着すると私を下ろし、近くのパーキングに車を止めにいった。
彼の買ってきてくれた食材がまだたくさんある。
作ってくれると言っていたが彼も仕事をして疲れているはず。私よりも重責で大変な仕事だろう。
私の提案でふたりで狭いキッチンに立つとあっという間に料理が出来上がった。
また小さなテーブルに向かい合うと手を合わせ食べ始めた。
「礼央さん、今朝は色々とびっくりしましたよ」
「そうか。あの女のことはよく思っていなかったが社員である限り個人的な感情は良くないと思って。あれが精一杯だった。でも今後雪を傷つけるようなら容赦しない」
「礼央さん。あのあと総務の社員が真希ちゃんに話してくれました。それで上手くいきそうです。礼央さんの言葉をきっかけに変わりそうです。ありがとうございました」
私が頭を下げると大きな手が頭に乗りいつものように撫でてくれる。
「彼女も妊婦だ。大切にされて間違いはない。でも勘違いしてはいけない。反対に雪は隠すことだけがいいことではない。周囲の力を借りることを覚えなさい。力になりたいと思っている人は多いはずだ」
礼央さんの言葉はスッと胸に落ちてきた。
「でもこの話はもう終わり。プライベートに仕事は持ち込まないのが俺の主義だ。さて赤ん坊は元気か確認をしよう」
そういうと私の隣に回り込んできてお腹をさする。
「今日は動いてないな」
「今は寝てるかも、です」
「なら雪は今俺だけのものだな」
そう言うが早いか彼の唇が私の唇に重なってきた。
あ……ん
私は礼央さんの服をぎゅっと握りしめた。
するとそれを合図に彼のキスは徐々に深くなってきた。
あの日、ホテルでの夜を思い出させるようなキスに私の胸は高鳴る。
開いた口から彼の舌は入り込み私の中を確認する。これもあの日と同じ。
記憶が蘇ってくる中、急に彼は私を抱きしめると「これ以上はダメだな。ごめん。つい雪に触れたくなった」と言うと離れた。
彼が離れたことが急に不安になり、離れているのが寂しいと思ってしまった。
この日から礼央さんは、仕事が早い日には私を誘い、一緒に夕飯を食べることが多くなった。とはいえ社長の彼にたくさんの時間があるわけではなく、多くて週に1.2回。週末も仕事があるので会えない時もある。
そんな中でも彼はこまめにメッセージをくれ、私との時間を大切に思ってくれているのかなと感じさせてくれた。
【車を止めて待っているから南口のロータリーに来て】
私はあと少しでロータリーなので返信することなくそのまま向かった。
ロータリーにはすでにこの前乗せてもらった車が停まっており、私がガラスを小さくノックすると窓が開き「早く乗って」と言われる。
私は慌てて乗り込むと車はすぐに発進した。
「ごめん、慌てさせて。車が思ったより多くて」
「いえ。でもどうしたんですか? つい乗ってしまったけど」
「いや、夕飯を一緒に食べたいと思って。昨日も一昨日も食べてたから今日も食べたくなって急いで仕事を終わらせてきたんだ」
彼はそう言うと耳が赤くなっていた。
「俺が作るからどうかな?」
「あ、うん」
彼の車は私のアパートの前に到着すると私を下ろし、近くのパーキングに車を止めにいった。
彼の買ってきてくれた食材がまだたくさんある。
作ってくれると言っていたが彼も仕事をして疲れているはず。私よりも重責で大変な仕事だろう。
私の提案でふたりで狭いキッチンに立つとあっという間に料理が出来上がった。
また小さなテーブルに向かい合うと手を合わせ食べ始めた。
「礼央さん、今朝は色々とびっくりしましたよ」
「そうか。あの女のことはよく思っていなかったが社員である限り個人的な感情は良くないと思って。あれが精一杯だった。でも今後雪を傷つけるようなら容赦しない」
「礼央さん。あのあと総務の社員が真希ちゃんに話してくれました。それで上手くいきそうです。礼央さんの言葉をきっかけに変わりそうです。ありがとうございました」
私が頭を下げると大きな手が頭に乗りいつものように撫でてくれる。
「彼女も妊婦だ。大切にされて間違いはない。でも勘違いしてはいけない。反対に雪は隠すことだけがいいことではない。周囲の力を借りることを覚えなさい。力になりたいと思っている人は多いはずだ」
礼央さんの言葉はスッと胸に落ちてきた。
「でもこの話はもう終わり。プライベートに仕事は持ち込まないのが俺の主義だ。さて赤ん坊は元気か確認をしよう」
そういうと私の隣に回り込んできてお腹をさする。
「今日は動いてないな」
「今は寝てるかも、です」
「なら雪は今俺だけのものだな」
そう言うが早いか彼の唇が私の唇に重なってきた。
あ……ん
私は礼央さんの服をぎゅっと握りしめた。
するとそれを合図に彼のキスは徐々に深くなってきた。
あの日、ホテルでの夜を思い出させるようなキスに私の胸は高鳴る。
開いた口から彼の舌は入り込み私の中を確認する。これもあの日と同じ。
記憶が蘇ってくる中、急に彼は私を抱きしめると「これ以上はダメだな。ごめん。つい雪に触れたくなった」と言うと離れた。
彼が離れたことが急に不安になり、離れているのが寂しいと思ってしまった。
この日から礼央さんは、仕事が早い日には私を誘い、一緒に夕飯を食べることが多くなった。とはいえ社長の彼にたくさんの時間があるわけではなく、多くて週に1.2回。週末も仕事があるので会えない時もある。
そんな中でも彼はこまめにメッセージをくれ、私との時間を大切に思ってくれているのかなと感じさせてくれた。