夏樹先輩、好きでした。
仲良さげに歩いて行くふたりの後ろ姿を、私が呆然と見つめていると。
「いやぁ。まさか、久遠先輩とエリカ先輩……あのふたりが続いていたなんて……」
「え……?」
「しまった」というように、椎菜が自分の口に手を当てる。
「ねぇ、椎菜。夏樹先輩とあのエリカって人のこと……知ってるの?」
恐る恐る椎菜に尋ねた私の声は、自分でも分かるくらいに震えていた。
「えっと、実は……」
椎菜の口から告げられた事実に、私はショックでプレゼントの紙袋が手から滑り落ちる。