入学初日にプロポーズされました
「えー、それにしては視線感じたけどなぁ」

「……私じゃない誰かでしょ」


授業中にもかかわらず伸びをする男

なのに、先生に見つからないのだからスゴい


「そっか、にしても珍しいね
希穂ちゃんが授業集中してないなんて」

「なっ………」


馬鹿にするような感じは全くなく、目を丸くして心の底から思っているような


「どうしたの、調子悪い?」

「別に………」

「やっぱり希穂ちゃん変だよ、熱?」


「触ろうとしないで」

「あれ、いつも通りだ」

伸ばしてきた手を払いのけるとそう言って笑った


何がしたいのかわからない


「何を言っているの?」


困惑して尋ねると、

「それはこっちのセリフだな」
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