入学初日にプロポーズされました

「よし行こー、今日は絶対離さないからね」

「絶対離れてやる」


1人、小さく意気込み大人しく着いて行った





────────**

「ここ?」

「うん、悩んだんだけど希穂ちゃんは買い物とか元気に走り回るとか、そっちよりこっちの方が好きかなって」


珍しく不安げな顔をする男


そのレアな表情を写真に収めたい、なんてらしくないことが浮かんだ

が、すぐにかき消し、男に向き合う



「うん、好き」

「え、やば……俺のこと?それ告白ってとって言い?付き合う?」


せっかく素直に言葉が出てきたのに冗談のせいで台無しだ

ため息をつき、顔をそらす



「はぁ……、でも、なんで私が猫好きだって知ってたの?」

「え?聞く?」

「……………聞かないでおくことにする」


なんだか裏がありそうなので知らないふり


けど、嬉しい

私のことを考えてくれたことが分かる
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