入学初日にプロポーズされました





「立ち尽くしてないで座ったら?」

「………希穂ちゃん…」


「ねぇ、聞いてる?目立ってるよ?」

「え、あれは俺の幻聴かな?」


ソファに座り、膝に乗ってきた猫を撫でながら、目の前に立ち尽くす男を見る


じっとこちらを見て何やらブツブツ呟いている



名前なんて呼ぶんじゃなかった

内心後悔して、猫の耳の後ろを撫でる



「はぁーーーーー」

「!?」


私の配信のため息と重なるように男の口から盛大なため息が漏れた

そして、勢いよくしゃがみ込んだ


驚き、思わず猫を撫でる動きを止める



「ど、どうし………」

「俺、いつか希穂ちゃんに殺される気がする…」


「は………殺さないよ、え?どういうこと?」

頭を抱え、呟く男に困惑する



私、この人コロスの?

え?

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