入学初日にプロポーズされました
〈side*界人〉


「………希穂ちゃん?」


揺れる電車の中でふと、肩に微かな重みを感じ、目を向けると

希穂ちゃんがこちらに寄りかかっていた


長い睫毛が顔に影を作っている



「寝ちゃった…」

ぽつり、と1人で呟き希穂ちゃんの髪を梳く


さらさら……



「んんぅ……」

「今日は連れ回しちゃったからな…」


希穂ちゃんに着ていなかったパーカーを掛け、緩んだ口元を押さえる



役得…



「どうやったら、俺に堕ちてくれるのかな…」


そんな呟きは電車の喧騒に消えていった



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