入学初日にプロポーズされました
〈side*希穂〉



「不覚…」


額を押さえ、唇をとがらせる



「よく寝てたもんね」

「るさい……」


横から笑いかけてくる男から

つんと目を逸らす



眠くない、って言ったのに…



「いやぁ、希穂ちゃんの寝顔可愛かったな…」

「勝手にみないでよ、うるさいな」


横目で睨み、恥ずかしくて
赤くなりそうな自分の頬をつねる


最悪…



「希穂ちゃんから俺に寄りかかってきたくせに?」

「………寝てたんだから、仕方ないでしょ」


意地悪


夕日に照らされた楽しげな笑顔を見てそう思う



「はは、可愛いなぁ…」


「……っ、可愛い可愛いうるさい、黙って」



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