入学初日にプロポーズされました
「希穂ちゃんのためなら」


「っ……はぁ、あんた気を遣うってことしってたんだね」

「え?」


「ごめん、取り乱した。けどあんたみてたらじぶんがバカらしく思えてきた
遠回りするのめんどいよね。さっきの道から帰ろ」


早口でそう言い、くるっとUターンする


あんなの、もう気にすることじゃないから



「なに、早く帰ろうよ」

「うん、こっちから、帰ろ?」


じぶんに言い聞かせ、早足で歩く私の腕を内田がつかんだ


顔を見せないよう前を向いたままそういう



「なんで、遠回りじゃん」


「遠回りの方が希穂ちゃんと長くいられるから」

「私は早く帰りたい」



黙り込んでしまった内田



「じゃあ、希穂ちゃんをそっちから帰らせたくないから」

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