入学初日にプロポーズされました
「は?」

驚いて振り返ってしまった


冗談で言ってるのかと思ったらいたって真面目な顔をしている


「なんで?」

「なんで、って……」


頬に触れてきた内田にピクッと肩を揺らす


「こんな顔するほど嫌なことあったでしょ
さっきの道に」


「はぁ……?」


「俺、希穂ちゃんのこといつもみてるんだからなめないでよ」


「言ってることぶっとんでるけど」


「うん、いまに始まったことじゃないでしょ?」



そうだ

こいつが優しいのもいまに始まったことじゃない


なのに、なんでこんなに──────


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