入学初日にプロポーズされました
「なにがあったかは聞かないけどこっちから帰ろーよ
俺のわがままってことでさ」


なんでこんなに──────

泣きそうになってしまうのだろう



「っ……仕方ない」

「ありがと」


涙を懸命に引っ込めてそう呟く



「希穂ちゃんは強いんだね」

「は?」


「俺は、希穂ちゃんにみたいになりたいや……」


どこか寂しそうな内田の声


なんて返したらいいか分からず無言で歩く



「……希穂ちゃん、やっぱり俺のこと覚えてないよね」


「ん?覚えてない?」



「そ、前にあったことあるんだよ」

「知らない、覚えてない……なにそれ」


困惑し、詰め寄りそうになる

最初、初めてあったって言ってた
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