入学初日にプロポーズされました
Third Story

*進展

「希穂ちゃ……」




「あ、き……「り、りおっ!」」




「き──────「本、返し忘れてた」」





見事なまでに避けている。


「きゃははっ!」

「笑い事じゃないんだよ…」

腹を抱えて笑う梨桜をきっとにらむ。



「ほぉう?なにがあった?聞くぞ?」

「なにその口調」

「えっへへ~……って!逸らすな話!」

ふい、と顔を背けると頬を挟まれ、強引に目を合わせられる。

目を細くして睨んでくる梨桜に言葉をつまらせる。


「……ぅ……な、内緒」

「!!なによ!希穂ちゃんずいぶんと可愛いリアクションするのね!どうしたどうした!」

どこぞのおばちゃんのような口調と緩けた口元。
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