入学初日にプロポーズされました

「ふふっ」


「え？」

笑い声が聞こえて驚いて顔を上げると梨桜はお腹を抱えて笑いを噛み殺していた。


「梨桜？」

「あぁ、ごめっ……ちょっと、くくくっ」


どうしたんだろう


黙って彼女を見つめながら笑いが収まるのを待つ。



「あぁ、おもしろかった。ほんっと希穂最高」

「なにも面白いこと言ったつもりないんだけど」

「いやいや、……あー、そうか。
希穂は鈍感だった」



はぁー、と額に手を当てため息をついた梨桜に思わず眉を潜める。


「しつれいな」

「はぁ？何が『しつれいな』よ！こっちからいわせたらいまさらそんなこと自覚するなんて失礼な、よ！」

「はぁ？」