入学初日にプロポーズされました
「なんか、内田の肩持つようで癪だけど……あの人可哀想……」

「だから、なんなの!さっきから
私にもわかるように説明して」


一人でしゃべる梨桜に嫌気がさして、そう咎めると黙り込んで腕を組んだ。



「もういい。帰る」

「あーあーあー!もう!わかったから待って!」



「……あたしから言わせればね、希穂」

「焦らさないで」

「はぁ……今更なのよ、今更。」

「今更?」


首をかしげると梨桜は難しいかおでうんうんと頷き、意味深に笑みを作った。




「今まで散々、皆に勘違いさせておいて本人自覚したのは今更。
とても進展したと思わない?あなたたちの関係。」


「は?なに言って……」



──────ガタッ


「!!??」

物音に勢いよく振り返る。


すると、そこには……



「は?」

「っ……~~~……げ、」

「げ、じゃねーよ。さいっしょから気づいてたのよ。ばか」


頭を押さえてしゃがみこんでいる内田界人。

そこにいるのが知っていたのように声をかける梨桜。──────いや、知っていたのか。



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