入学初日にプロポーズされました
「萊たち3人って明るくて皆から好かれてるでしょ?だから、そのそばにいる私を快く思わない人もいたの」

「うん」


「とくに私が遥と一緒にいるのが嫌だったみたいで『男好きが』とか『くそ陰キャ』とか言われてたの……」

「……」


黙って聞いてくれる内田から目を逸らしながら小さく、声を漏らす。


「じつはさ、この間、キャットカフェの帰りに悪口言ってきた相手を見かけたの」

「……それで?」

「うん、そう。ちょっと怖くなったから、……ごめん」


うつむき、相手の反応を待つ。

けれどいつまでたってもなにもない。




不思議に思って顔を上げると、

「へ……?」


思わずそんな間抜けな声がでるくらい

思いがけない表情をしていた。



「……う、──────っひゃ」

「ごめん、今顔見ないで」

「だからって、なんでこんなことっ!?」


私の体をギュッと抱き締めて、耳元でささやいている内田。

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