入学初日にプロポーズされました
〈界人side〉


「っ、はぁ……」


希穂ちゃんと別れ、家に入ったとたん耐えきれずにしゃがみこむ。


なにあの無自覚鈍感な生き物……


両手で顔を覆い、心のなかで呟く。



あれって、もう俺と一緒にいたいって言ってるようなもんだって、気づかないのかな?


長良さんのいうとおり進展してんじゃん、俺らの関係

無意識にも口角が上がる。



「はー、くそ」


めっちゃ好き

何度目か分からない気持ちを噛み締める。



「え、なに玄関先でしゃがんでにやにやしてんの、キモいんだけど」


「わぁぁ!なんでもない!兄ちゃんただいま!」


絶対俺のこと好きだって自覚させてやる

何度目か分からない決意を心のなかで呟いた。


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