入学初日にプロポーズされました
この長い付き合いで知らないはずがない。



「希穂も一緒に見ようよせっかくだし」

「遥あんた……」


口角をあげて首をかしげる遥に絶句する。



「ほら、怖かったら俺が手繋いでてやるし?」

「やだ絶対無理」


べー、て舌をだして威嚇する。

遥はそんなわたしを見て、肩をすくめて笑った。


「はぁ……つかこわくねぇぞこれ。ゾンビに追い回されるくらい。」


萊が指差すポスターには血だらけの人間がたくさん描かれていた。

血の滴るフォントは絶対確信犯だ。



「それが怖いって言ってんじゃん!」

「ま、そう言うって分かってんだけどな~」


< 167 / 182 >

この作品をシェア

pagetop