入学初日にプロポーズされました
***

「なにしてたの?」

「お茶してただけ」


映画を見終わった梨桜たちと合流して、すぐ萊に問われた。

警戒心丸出しの視線は綾世さんを向いている。


失礼過ぎる弟の頭を思いきりはたく。




「いやぁ、希穂の面倒見てくださりありがとうございました~」

「ううん、こちらこそだよ。とても楽しかった。」

「ま!?希穂といて楽しいってすげーな!?どんな力使ったの!?」


映画が面白かったのかとてもご機嫌な梨桜。

近所のおばさんかと思うかのような口調に思わず笑いそうになってしまう。


が、その言葉が失礼なことに気づき、片眉をあげる。


「は?」

「あ!ちがうよ!そうじゃなくて!希穂はひねくれものだから合う人と合わない人いるでしょ!?それでどう見たってこのひとは希穂と合わないタイプの人なのに楽しかったのすごいなって!おもったの!だんじて、希穂がつまらない人だとはいってないよ!」


とてめ早口で捲し立てるようにいわれ、眉を寄せる。


いや、そういわれればいわれるほど切なくなるんだけど……。

そして早口すぎて聞き取りにくい。滑舌直せ。


はぁと大きくため息を着いたわたしに梨桜は頭を抱えてしゃがみこんだ。

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