入学初日にプロポーズされました
〈綾世side〉


「今、なんつった?、」

「ん?希穂ちゃんとお茶したって言ったんだよ?」

「なんで?なんでなんでなんで?」


分かりやすく戸惑う弟に口許に笑みを浮かべる。

ほんと分かりやすい。


戸惑いすぎてスマホを床に落としている。



「偶然あって、その流れで?」

「はぁ?いみわっかんね。俺が誘っても絶対お茶なんてしてくれないのに。絶対嫌々だろ、それ!」

早口で捲し立てる界人にどうしても意地悪したくなる。


笑みを浮かべて首をかしげ、流れるように嘘をはいてみる。



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