入学初日にプロポーズされました
「希穂ちゃん、いやがってるようには見えなかったけど?」

「兄貴の目が悪いんだよ、」

間を空けずに食いついてきた。

目に見えて分かるほど嫉妬している弟。

こんなに表情豊かなところを俺に見せるのはいつぶりだろう。



思えば、あの子と再会してからの界人は、生き生きとしているような気がする。


こいつを夢中にされるのはよく分からないが、面白い子、ということは分かった。





ヘタレだからな、俺の弟は。


くくく、と喉をならして笑っていると界人はきっと睨みながら近寄ってきた。


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