入学初日にプロポーズされました
「まさか、口説いたりしてないよね?」

「ん~?」

「それは、絶対許さないから!」


ばんっ

机を叩き、首を何度も横に振っている。


必死になる弟をみているとどうも意地悪がしたくなる。


大事なものをとられるのを嫌がる子供のような。

おもちゃにも執着したことなかったのに。



「んだよ、彼氏じゃねーんだろ?」

「っ……それはっ!」


「じゃあ、俺と希穂ちゃんがどうなろうとお前の知ったことじゃないよなぁ?」

「っ……」


さすがに意地悪しすぎたかな?

そう思ってうつむく界人の顔を覗き込む。



「それは、そう……だけど」



不満げに唸り、言葉を探しているもよう。




「だけど!」

唐突な大きな声な思わず肩を揺らす。


目を丸くする俺に界人は意思を強い目を向けてきた。



「希穂ちゃんは譲らない」

「ふっ……」


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