入学初日にプロポーズされました
思いのほか素直だったため不思議に思ってしまう

こいつは、もっと────いや、こいつのことなんて分からない



「………」

「どうしたの?」

唖然とする様子が珍しくて顔を覗き込む


「やば…嬉しすぎ」

頬を緩め、口元に手を当てるそいつ

その意味不明な行動に眉を寄せる



「なぁ、希穂」

「なに?」

「こいつ、マジで誰?」

ずっと立ち尽くしていた萊が耳元で話しかけてきた

困惑しているようで声にそれが含まれていた


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