入学初日にプロポーズされました
「希穂ちゃんってツンデレだよね」

「はぁ?」

「“デレ”見たことないけど」

「ツンデレじゃないからでしょ」


心底楽しげな男に嘆息する



「どうでしょー」

「もう意味分かんない、」


話を諦め、背中を向ける


内田界人は分からない

なぜ接点のない私に告白──プロポーズしてきて

ここまでつきまとってくるのか


「希穂ちゃん、返事はいつでもいいからね」

「じゃあ今答えようかな
絶対無理、やめて」


「いい返事を期待しているよ」

都合のいい耳に再びため息が漏れた
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