入学初日にプロポーズされました

「え、ちょっと待って、可愛いんだけど」

「………?」

口元を押さえ、顔を背ける男


「無自覚とか余計たち悪い…」

それだけに止まらず頭を抱えて机に伏せてしまった


ブツブツとなにかを言っているようだが声が届かない


「……調子、悪いの?」

「んー、どうだろ、
うん、ちょっとヤバいかも」

不安になり、声をかけた私に曖昧な答えが帰ってきた


「え、保健室行く?」

「希穂ちゃんが連れて行ってくれるなら喜ん────」

「先生」


いつものような軽口は全部無視して手を上げる
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