凄腕ドクターの子を妊娠したら、溢れるほどの愛で甘やかされています
「おめでとうございます」
柊矢さんがニッと唇を広げて言った。はにかんだ顔も目が逸らせないくらいカッコいい。
こんなイケメンに祝ってもらえるなんて、悪い気はしないなぁ。可愛らしいケーキに美味しいワイン、目の前には優しく微笑む素敵な男性。
なんて贅沢な時間なのだろう。夢みたいだ。
「ありがとうございます」
そのあと一緒に食べたケーキの味はしなかった。
これまで出会ったことがないくらい整った顔立ちの男性と一緒なんだもの、どうやら緊張で味覚が狂ったらしい。無味だった。シェフに申し訳ない気分。
叔父のはからいでお会計せずにレストラン・イリゼを出るとき、柊矢さんとちょうど同時になった。予約が重なる時間帯らしく、店内は混み合っていた。
「あの、今日はありがとうございました。一緒にケーキを食べて下さって」
レストラン・イリゼの前で立ち止まり、私は柊矢さんにぺこりと頭を下げる。
「いえいえ、居合わせてラッキーでした。美味しいケーキをいただけましたから」
切れ長の目を細めた相手の表情が街灯に照らされる。陰影がついた面立ちは妙な色気があり、釘付けになるほど美しい。
「では、ここで。失礼します」
もう一度、今度は深くお辞儀をした。
長居するとますます柊矢さんから目が離せなくなる。この素敵すぎる夜が、もっと長く続けばいいのに、なんて期待してしまう。
そう思って、逃げるように踵を返したときだった。
「紗衣さん。これからどこかで飲み直しませんか?」
背中越しに聞こえた低い声に、トクンと心臓が高鳴る。
私の名前を呼んだよね……?私が誘われたんだよね?
柊矢さんがニッと唇を広げて言った。はにかんだ顔も目が逸らせないくらいカッコいい。
こんなイケメンに祝ってもらえるなんて、悪い気はしないなぁ。可愛らしいケーキに美味しいワイン、目の前には優しく微笑む素敵な男性。
なんて贅沢な時間なのだろう。夢みたいだ。
「ありがとうございます」
そのあと一緒に食べたケーキの味はしなかった。
これまで出会ったことがないくらい整った顔立ちの男性と一緒なんだもの、どうやら緊張で味覚が狂ったらしい。無味だった。シェフに申し訳ない気分。
叔父のはからいでお会計せずにレストラン・イリゼを出るとき、柊矢さんとちょうど同時になった。予約が重なる時間帯らしく、店内は混み合っていた。
「あの、今日はありがとうございました。一緒にケーキを食べて下さって」
レストラン・イリゼの前で立ち止まり、私は柊矢さんにぺこりと頭を下げる。
「いえいえ、居合わせてラッキーでした。美味しいケーキをいただけましたから」
切れ長の目を細めた相手の表情が街灯に照らされる。陰影がついた面立ちは妙な色気があり、釘付けになるほど美しい。
「では、ここで。失礼します」
もう一度、今度は深くお辞儀をした。
長居するとますます柊矢さんから目が離せなくなる。この素敵すぎる夜が、もっと長く続けばいいのに、なんて期待してしまう。
そう思って、逃げるように踵を返したときだった。
「紗衣さん。これからどこかで飲み直しませんか?」
背中越しに聞こえた低い声に、トクンと心臓が高鳴る。
私の名前を呼んだよね……?私が誘われたんだよね?