凄腕ドクターの子を妊娠したら、溢れるほどの愛で甘やかされています
 柊矢さんって紳士的だけど意外と意地悪なんだな、と思ったのも束の間。いたずらっ子みたいだった柊矢さんの目がとろんと妖艶に変化した。
 
「ん……っ」

 再び深いキスが降り注ぐ。
 柊矢さんはベッドに私の体を貼り付けて覆いかぶさり、腰を密着させる。

 スカートの裾が捲れて素肌があらわになり、勝手に力が入る私の太ももを優しく撫でた。そしてゆっくりと下着をずらし、窺うように繊細に、下腹部の辺りを指の腹で擦る。

「ああっ」

 窮屈な入り口を、たっぷり時間をかけて柔らかくほぐしているみたい。
 その最中もお互いの舌を絡ませ、吸い取る深いキスを止めない。

 時折、私を安心させるためか柊矢さんは頭を撫でた。小さい子どもを優しく寝かしつける行為さながら。

 柊矢さんの反対の手は私の敏感な部分に指で触れて、腰が逃げて浮き上がった。

「痛い?」

 じんとする感覚は痛いとも違う。私は目をきつく瞑ってかぶりを振った。

 柊矢さんの繊細で大胆な指と、吐息を漏らして私の胸を愛撫する唇や舌の動きで、次第に下半身か湿っぽくなってゆくのがわかる。

 「ん、あっ……んん」

 耳を疑った。鼻にかかったこの甘く濡れた声が自分のものだなんて。

 全身は力んだり脱力したり忙しい。
 不意に目を開けると、私の中を触るの止めた柊矢さんの指は、トロトロに濡れ光沢していた。

 前はこんなにならなかったのに……。恥ずかしい。

「柊矢さんに触れられると私、なんか、ダメみたいです……」

 手で顔を隠す。そんなことをしてももう、全身くまなく見られているのだけれど、とにかく恥ずかしくて仕方ない。
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