凄腕ドクターの子を妊娠したら、溢れるほどの愛で甘やかされています
「あっ! 柊矢さんっ……」

 達した私はびくんと体を震わせた。
 息を乱して体を翻し、うつ伏せになる。

「紗衣、気持ちよかった? 首から肩まで真っ赤だよ」

 脱力した私の背中にキスを降らせ、柊矢さんは笑いを帯びた声で言った。

「気持ち、よかったです……」

 恥ずかし過ぎてどうしようもないけれど、頑張って素直を伝えた私が小さく振り向くと。

「反則。さっきから可愛い過ぎるだろ」

 目が合った柊矢さんはハッとして、瞬時に顔を背けた。

「だ、だって、柊矢さんに触れられてるって思うだけでなんか、感じてしまって……」

 言い訳みたいに口走った私の体を抱き起こし、柊矢さんはため息を吐く。

「もういいから。これ以上俺を暴走させる気?」
「え……?」

 再び仰向けにベッドに寝かされ、私は柊矢さんの下に組み敷かれた。
 胸の突起を口に含み、ぷっくりと膨らんだ部分を指でいじられるけど、一番触れてほしい場所にはなかなか触ってもらえない。

 腰がうずいて勝手に動く。私は首を左右に振った。

「い、意地悪、しないでください……っ」

 散々焦らされて苦しくて、押し殺した声を発した。恥ずかしくて顔から火が出そうだ。

「ごめん。紗衣があまりにも可愛いから、つい」

 私の頬を手のひらで包み込み、手を取って指先にキスをした柊矢さんは涙目の私を射るような力強い目でじっと見つめた。

「さっきみたいに名前を呼ばれると、すごく興奮する」

 耳元で囁かれながら柊矢さんを迎え入れ、沸騰寸前の状態で体がびくんと跳ねる。
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