凄腕ドクターの子を妊娠したら、溢れるほどの愛で甘やかされています
「しゅ、柊矢さん……っ」
「その顔も声も、すごくそそる」

 トロトロに濡れた私の中に、柊矢さんが入ってくる。
 さっき達したばかりの私はまたすぐに快楽の波に襲われて、意識を保つのがやっとだった。

「あっ、ん、んっ」

 律動に合わせた嬌声が次第に大きくなる。ベッドのスプリングがギシッと音を立てた。
 切なげな眼差しで見下され、湿った息遣いを肌で感じる。

 柊矢さんの苦しそうな表情に、朦朧とする意識の中でこんなふうにさせているのが自分なんだと思うと、気持ちが高揚した。

 爪先に力が入り、頬が上気する。空気が足りなくなってきた。
 柊矢さんの背中に回した両腕にギュッと力を込める。

「あっ……!」

 動きを止め、乱れた息を整えながら、柊矢さんはニッと唇を真横に広げて満足気に微笑んだ。

 首筋や頬、胸やお腹に丁寧にキスをされて余韻に浸る。さっきよりも敏感になった体がぴくりと反応した。

「参ったな。いちいち可愛いから、一晩中離せそうもないよ」

 柊矢さんに優しく抱き締められて、猛烈な脱力感と眠気に襲われた私は目を閉じる。

 トクンと打ち付ける柊矢さんの心臓に耳をあて、全身を預けるように添い寝しながら、私は幸福感に満たされていた。
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