凄腕ドクターの子を妊娠したら、溢れるほどの愛で甘やかされています
「今日はテイクアウトのお客様が多いですね」
翌日、職場でお客様が途切れた頃を見計らい、早乙女さんが私に言った。
たしかに今日のランチタイムはテイクアウトのお客様ばかり。
「そうですね。今日は天気がいいからお散歩しながら外で飲まれるんですかね」
「近くの神社で藤の花が見頃なんですよね。私もコーヒー片手にお散歩がてら見に行きたいなぁー」
早乙女さんの言葉に、私の脳裏で遠い記憶が蘇る。
柊矢さんと初めて会った日に、レストラン・イリゼからホテルに行く途中に通りかかった神社には藤棚があって、この時期美しい花が咲く。
まだ小学生から中学生の頃、母の病気平癒のお参りに行っていたときに綺麗だなって見てたっけ。
「松本さん、あそこは穴場スポットですから柊矢先生とのデートにもおすすめですよ!」
回想に暮れていた私は、早乙女さんから耳打ちされてどきりとした。
「え! デ、デートですか……」
私はどう反応していいかわからずオロオロする。
もう付き合ってると言ってもいいのかな。柊矢さんに迷惑がかからないだろうか。
「こないだ松本さんが倒れたとき、来店された柊矢先生に松本さんが早退したと話したら詳細を聞かれたんです」
悩んでいる私に、早乙女さんは和やかな笑顔で続ける。
「体調が悪いみたいで倒れたんですって話したら、いつも正直冷静沈着で、どんなときも顔色ひとつ変えないで治療にあたると有名な柊矢先生が血相を変えて心配されてて。驚きました」
「そうだったんですか……」
それで柊矢さん、祖母の家まで来てくれたんだ。
そのときは柊矢さんも私が妊娠しているんじゃないかと思ったのだろう。勘違いだったけど……。
翌日、職場でお客様が途切れた頃を見計らい、早乙女さんが私に言った。
たしかに今日のランチタイムはテイクアウトのお客様ばかり。
「そうですね。今日は天気がいいからお散歩しながら外で飲まれるんですかね」
「近くの神社で藤の花が見頃なんですよね。私もコーヒー片手にお散歩がてら見に行きたいなぁー」
早乙女さんの言葉に、私の脳裏で遠い記憶が蘇る。
柊矢さんと初めて会った日に、レストラン・イリゼからホテルに行く途中に通りかかった神社には藤棚があって、この時期美しい花が咲く。
まだ小学生から中学生の頃、母の病気平癒のお参りに行っていたときに綺麗だなって見てたっけ。
「松本さん、あそこは穴場スポットですから柊矢先生とのデートにもおすすめですよ!」
回想に暮れていた私は、早乙女さんから耳打ちされてどきりとした。
「え! デ、デートですか……」
私はどう反応していいかわからずオロオロする。
もう付き合ってると言ってもいいのかな。柊矢さんに迷惑がかからないだろうか。
「こないだ松本さんが倒れたとき、来店された柊矢先生に松本さんが早退したと話したら詳細を聞かれたんです」
悩んでいる私に、早乙女さんは和やかな笑顔で続ける。
「体調が悪いみたいで倒れたんですって話したら、いつも正直冷静沈着で、どんなときも顔色ひとつ変えないで治療にあたると有名な柊矢先生が血相を変えて心配されてて。驚きました」
「そうだったんですか……」
それで柊矢さん、祖母の家まで来てくれたんだ。
そのときは柊矢さんも私が妊娠しているんじゃないかと思ったのだろう。勘違いだったけど……。