エリート警察官は彼女を逃がさない

服装も悩みに悩んだが時間があまりないこともあり、どこにでも対応できそうなブラックのパンツに淡いピンクのデザインに動きのあるトップスを選ぶ。髪は起きた時からアップをしていた癖をそのまま使って、緩く編みこんでアレンジをした。

全身を映したところで、もしかして彼があの完璧なスーツ姿だったら? やっぱりワンピースに、そう思ったところでスマホが音を立てる。

【もうすぐ着くよ】
その内容に私は諦めに似た気持ちのまま、バッグを持つと外へと出た。
以前送ってもらった場所で待っていると、先日と同じ高級車が走ってくるのが見えた。

それと同時に自分の物とは思えないほど、心臓の音が大きく聞こえた。
今からどこに行くかも、あの日のキスも、すべてが私を動揺させていた。
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