エリート警察官は彼女を逃がさない
「確かにゆっくりですね」
春の日差しが温かい今日は、たしかにゆっくりするにはぴったりだった。
エリートの彼がこんなところに来るなんて想像もつかなかったが、当の本人はご機嫌だ。
私たちは人のいない砂浜に座り、ホットドッグとコーヒーを片手に海を眺めていた。
「嫌だった?」
高級なホテルも毎日出勤しているし、都心でのおしゃれなレストランやカフェもそれなりに行ったことがある。
こうして休日にのんびりと自然に触れられることがとても贅沢に感じた。
「いいえ。嬉しいです。実家も山でしたしなかなか海なんてこれないから」
潮風に吹かれながら食べる食事もとてもおいしく感じた。
「よかった」
そういうと彼もホットドッグをほおばる。
「うん、うまい」
「美緒、今何歳?」
キスまでしておいて今更こんな問いと思うも、確かに私たちは何もしらない。