エリート警察官は彼女を逃がさない

今度は自ら望んでキスをして欲しい。そう思った。

「美緒……」

少しの間の後、唇に熱を感じた。アイスコーヒーを飲んでいたからだろうか。
彼の唇がひんやりとしていて、余計にキスを実感してしまった。
その後、何も言葉はお互い言わなかった。ここで「付き合ってください」とか言うべきだったのかもしれない。でも、私にはそんな勇気も持ち合わせていなければ、自信もなかった。

そして彼も何も言わない、それがすべてのような気がした。
それでもいい。そんなことを思ってしまった私はきっとこれから先の未来はないのだろう。
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