エリート警察官は彼女を逃がさない

「美緒、明日は仕事?」

「明日は夕方からです」
ホテル勤務は不規則なシフト制だ。だから、今日はそれほど急ぐ理由もない。

「そうか、じゃあまだ付き合ってくれる?」

「もちろんです」
勢いよく言ってしまい、私は羞恥で自分の頬が熱くなるのわかった。
自分からもっと一緒にいたい、そんなことを思った自分を恥じる。そんな私を見て征爾さんは屈託なく笑った。
その後、私たちはブラブラと街歩きをして、雑貨屋を除いたりのんびりと過ごしていた。

「そろそろ行こうか」

「どこにですか?」
少しだけ困ったようにも見えた彼だったが、私の手を柔らかく握ると歩き出した。
そして、駐車場へ戻ると助手席のドアを開けて私を促す。

それは今までとのリラックスをした雰囲気ではなく、大人の男性といった感じがしてドキッとしてしまう。
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