エリート警察官は彼女を逃がさない

何とかそのことを頭から切り離し、その日の仕事をこなし夜咲良の家へと向かう。

咲良の家と私の家はそれほど離れていない。電車を降りて、下町の商店街の中を通って咲良のマンションへ向かうさながら、薬局が目に入る。

そんなことはきっとない。昼間気づいてしまった可能性を考えたくなくて、私は薬局を足早に通り過ぎた。しかし、どれだけ考えても生理は遅れているし、体調の変化もある。

ピタッと足を止めて決心をすると、妊娠検査薬を購入した。

ーーもし陽性だったら? 征爾さんに連絡をする?

向こうからは一度も連絡はないし、ひょっとしたら一度もかけたことはないが電話番号も違ったりするかもしれない。
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